今年も3月になり、卒業シーズン・春休みの時期に入っている方も多いと思います。中には海外旅行に行こうと計画中の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
さて、海外旅行や海外出張に行くときにひとつ問題となるのが、インターネット環境です。
誰もがスマートフォンを持つ時代になり、インターネット環境さえあれば大抵の情報はすぐに手に入ります。
しかし、インターネット環境がなければ意味がありません。
当たり前ですが、海外の国々には日本のNTTドコモ、ソフトバンク、auといった大手キャリア(通信事業者)の回線(通信設備)はありません。
そこで各キャリアは現地のキャリアと提携し、ユーザーに「国際ローミング」などのサービスを提供しています。
国際ローミングの仕組みや利用方法は、下記のサイトが参考になると思います。
参考 データローミングとは?海外で国際ローミングを使う前に読みたい8つのTIPSXERAそれを利用するのも1つの手ですが、もう2つほど方法があります。
それは海外Wi-Fiレンタルサービスを利用することと、SIMフリー端末を持っていき現地のキャリアが販売するSIMカードを購入する方法です。
実際は国際ローミングか海外Wi-Fiレンタルサービスのどちらかを利用することが多いと思いますが、どちらの方が便利で料金が安く済むのか、よくわからなかったりします。
そこで今回は、国際ローミングか海外Wi-Fiレンタルサービスのどちらを選ぶべきなのかに焦点を絞って、各キャリアごとに検証していきたいと思います。
大手キャリアの国際ローミングサービス
NTTドコモ(※3月15日以降に更新予定)
記事執筆(2018年2月末)現在、ドコモの国際ローミングサービス「WORLD WING/ワールドウィング」には、2つのプランがあります。
「海外1dayパケ」と「海外パケ・ホーダイ」ですが、前者は2018年3月14日をもって新規受付が停止されます。
そして、3月15日からは「パケットパック海外オプション」が新たに提供されることになっています。
混乱を避けるため、NTTドコモの国際ローミングについては3月15日以降に最新の情報に更新いたします。
ソフトバンク
ソフトバンクも記事執筆現在、2つのプランがあります。
「海外パケットし放題」と「アメリカ放題」です。
海外パケットし放題は1日あたり2,980円支払えば対象国でのデータ通信を無制限に利用することができます。ちなみに、1日のデータ通信量が25MB以下であった場合は使用量に応じて0〜1,980円の料金になります。
事前申込みは不要で、端末の設定でデータローミングをオンにすると自動的に適用されるようになっているようです。
また、iPhone・iPadに限って利用できるアメリカ放題は、月額980円支払うと、対象エリアでのスプリントネットワークを使ったデータ通信を、日本で契約しているプランのデータ容量を使用して行うことができます。
記事執筆現在はキャンペーン中で、事前申し込み不要、料金も無料となっています。キャンペーン終了時期は発表されていません。
au
記事執筆現在、auも上記2キャリアと同様に、2つのプランがあります。
「世界データ定額」と「海外ダブル定額」です。
世界データ定額は24時間あたり980円支払うと、対象の国・地域で日本で契約しているプランのデータ容量を使ってデータ通信が利用できます。
ソフトバンクの「アメリカ放題」と一見似ていますが、「アメリカ放題」はアメリカのみの月額980円なのに対し、「世界データ定額」は150カ国の24時間980円となっているので、全然違います。
海外ダブル定額はドコモで言う「海外パケ・ホーダイ」、ソフトバンクで言う「海外パケットし放題」とほぼ同じサービスです。
1日あたり2,980円で163カ国の対応エリアでのパケット通信が無制限に利用できます。ちなみに、1日のデータ通信量が24.4MB以下であった場合は1,980円になります。
ワイモバイル
ワイモバイルはソフトバンクの傘下にあるので、ソフトバンクの「海外パケットし放題」が利用できます。
ただし、「アメリカ放題」は利用できません。
各キャリアに共通しているのは…
ここまで4つのキャリアの国際ローミングサービスをみてみましたが、どのキャリアにも共通しているのは1日2,980円で無制限にデータ通信を利用できるプランがあることです。
海外では観光地の情報や地図を見たりすることが多いと思いますので、無制限にデータ通信を行えるのは嬉しいです。
ただ個人的には、無制限ほどはいらないような気がします。
そこで、日本で契約しているプランのデータ容量を使えるプランが一番使いやすいかと思います。現在そのプランを提供しているのはソフトバンク(アメリカのみ)とauで、ドコモは2018年3月15日より開始されることになっています。
海外Wi-Fiレンタルサービス
続いて、海外Wi-Fiレンタルサービスについてみていきます。
今回は空港で受取可能なサービスのうち、代表的な4社を取り上げます。
Wi-Fiレンタルサービスは業者によって対応国や料金プランなどが全く違います。
そのためここでは業者の紹介程度にさせていただき、実際にどれくらいの料金がかかるかは、後の例を用いた検証でお伝えします。
イモトのWiFi
1社目はエクスコムグローバル株式会社が提供する「イモトのWiFi」です。
CM等でも馴染みのあるサービスですね。
上の画像をタップorクリックすると公式サイトをご覧いただけます。
Wi-Ho!(ワイホー)
2社目は株式会社テレコムスクエアが提供する「Wi-Ho!」というサービスです。
上の画像をタップorクリックすると公式サイトをご覧いただけます。
エクスモバイルWiFi
3社目はエクスモバイル株式会社が提供する「エクスモバイルWiFi」。
上の画像をタップorクリックすると公式サイトをご覧いただけます。
グローバルWiFi
4社目は株式会社ビジョンが提供する「グローバルWiFi」です。
上の画像をタップorクリックすると公式サイトをご覧いただけます。
例を用いて徹底検証!
今回は国際ローミングとWi-Fiレンタルのどちらを選ぶべきなのかを考えることがメインですので、2つほど例を挙げて、実際の料金を比較してみたいと思います。
-
旅行先で地図を見たり、動画を見たりすることを考慮し、使用データ容量は多めに設定
-
家族内でテザリング等を使ってなるべく安くなる方法を考える
-
同行者は全員同じキャリアを使用している
-
Wi-Fiレンタルサービスの場合は盗難・紛失に備えて、補償に加入する
-
Wi-Fiレンタルにかかる送料や手数料も加味する
-
Wi-Fiレンタルは原則空港で受取・返却(エクスモバイルWiFiのみ返却は郵送)
- 旅行先…ハワイ
- データ通信利用日数…4日
- 人数…家族4人
- 1日の使用データ量…1人100MB
- 旅行先…マレーシア
- データ通信利用日数…3日
- 人数…自分と友達の3人
- 1日の使用データ量…1人150MB
それでは、それぞれのExampleを検証し、表にまとめていきます。
Example 1 家族とハワイ旅行
大手キャリアの場合
通信事業者 | NTTドコモ | ソフトバンク | au | ワイモバイル |
プラン | 海外パケ・ホーダイ | アメリカ放題 | 海外ダブル定額 | 海外パケットし放題 |
1人あたりの料金 | 2,980円/日 | (月額)キャンペーン中につき無料 | 2,980円/日 | 2,980円/日 |
使えるデータ容量 | 無制限 | 日本で契約しているプラン分 | 無制限 | 無制限 |
家族は… | テザリングを利用 | それぞれ契約 | テザリングを利用 | テザリングを利用 |
4日間の合計料金 | 11,920円 | 無料 | 11,920円 | 11,920円 |
Wi-Fiレンタルサービスの場合
通信事業者 | イモトのWiFi | Wi-Ho!(ワイホー) | エクスモバイルWiFi | グローバルWiFi |
プラン | 大容量 | 大容量 | 大容量 | 大容量 |
回線 | 4G | 4G | 4G | 4G |
1契約あたりの料金 | 1,580円/日 | 1,050円/日 | 1,100円/日 | 1,470円/日 |
使えるデータ容量 | 500MB/日 | 500MB/日 | 500MB/日 | 500MB/日 |
家族は… | 全員で1台を使用 | 全員で1台を使用 | 全員で1台を使用 | 全員で1台を使用 |
補償(保証)プラン | あんしんパックフル(324円/日) | あんしん保証(216円/日) | あんしん補償(レンタル料金の15%=165円) | 安心補償パック フル(324円/日) |
4日間の合計料金 | 7,616円 | 5,064円 | 5,060円 | 7,176円 |
送料・手数料等も含めた料金 | 8,156円 | 5,604円 | 5,420円 | 7,816円 |
この例の場合は現在無料キャンペーンを行っているソフトバンクの「アメリカ放題」に軍配が上がリました。
ソフトバンク以外のキャリアをお使いの方はWi-Fiレンタルサービスを利用するほうが料金は安くなります。
そしてWi-Fiレンタルでは「Wi‐Ho!」と「エクスモバイルWiFi」が安くなっています。
Example 2 友達とマレーシア旅行
大手キャリアの場合
通信事業者 | NTTドコモ | ソフトバンク | au | ワイモバイル |
プラン | 海外パケ・ホーダイ | 海外パケットし放題 | 世界データ定額 | 海外パケットし放題 |
1人あたりの料金 | 2,980円/日 | 2,980円/日 | 980円/24時間 | 2,980円/日 |
使えるデータ容量 | 無制限 | 無制限 | 日本で契約しているプラン分 | 無制限 |
友達は… | テザリングを利用 | テザリングを利用 | それぞれ契約 | テザリングを利用 |
3日間の合計料金 | 8,940円 | 8,940円 | 8,820円 | 8,940円 |
Wi-Fiレンタルサービスの場合
通信事業者 | イモトのWiFi | Wi-Ho!(ワイホー) | エクスモバイルWiFi | グローバルWi-Fi |
プラン | 大容量 | 大容量 | 大容量 | 大容量 |
回線 | 3G | 4G | 4G | 4G |
1契約あたりの料金 | 680円/日 | 890円/日 | 850円/日 | 1,170円 |
使えるデータ容量 | 500MB/日 | 500MB/日 | 500MB/日 | 500MB/日 |
友達は… | 全員で1台を使用 | 全員で1台を使用 | 全員で1台を使用 | 全員で1台を使用 |
補償(保証)プラン | あんしんパックフル(324円/日) | あんしん保証(216円/日) | あんしん補償(レンタル料金の15%=127.5円/日) | 安心補償パック フル(324円/日) |
3日間の合計料金 | 3,012円 | 3,318円 | 2,933円 | 4,482円 |
送料・手数料等も含めた料金 | 3,552円 | 3,858円 | 3,293円 | 5,022円 |
こちらの例ではキャリアとWi-Fiレンタルの差がはっきりする結果となりました。
全体的にWi-Fiレンタルのほうが安く、ハワイの例と同様に「エクスモバイルWiFi」が最も安くなっています。
「イモトのWi-Fi」も安いですが、唯一4G回線に対応しておらず、3G回線しかありませんでした。
結論・まとめ
今回は「国際ローミング or Wi-Fiレンタル 海外行く時どちらを選ぶ?」と題して、キャリアの国際ローミングとWi-Fiレンタルサービスの比較検証をしてみました。
料金面で見ると全体的にWi-Fiレンタルの方が安く済みますが、Wi-Fiルーターを充電したり、受取・返却の手間などもかかります。
その点も含めて、結論を出してみます。
- 料金面でみると国際ローミングよりWi-Fiレンタルの方が安い!
- Wi-Fiレンタルサービスなら「エクスモバイルWiFi」が一番安い
- 利用する人数やデータ容量、利便性を考えて、自分にあったサービスを検討するのがベスト
私個人としては、Wi‐Fiルーターを持ち歩いたり充電したりするのが面倒くさくなりそうなので、割高にはなりますが、キャリアの国際ローミングを使いたいと思いました。
1人で使うのであれば、日本で契約しているデータ容量を使えるプラン(ドコモの「パケットパック海外オプション」、ソフトバンクの「アメリカ放題」、auの「世界データ定額」)を利用したいです。
複数人で使うのであれば、複数台同時接続に対応しているWi-Fiルーターが使えるレンタルサービスの方が便利なのかもしれません。
様々な条件によってベストなサービスが異なってくるので、「絶対にこれ!」というものは無いということです。
自分の条件にベストマッチしたサービスを見つけて、海外でも快適にインターネットを使いたいですね!
それではまた!
コメントを残す